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箱根駅伝観戦記 2009 ~復路

 復路の最初の注目は、エントリー変更である。
 往路の結果を受けて、各校が知恵を絞り、優勝、シードを奪いに向かう。
 ここで優勝をねらうチームのオーダーに、少しでも甘さがあると、足下をすくわれることになる。
 「4年生だから」
 「キャプテンだから」
 「努力家だから」
 こういった感情は、勝負には関係がない。3年前の順大がいい例である。
 ここで東洋は、キャプテンであり、4年生であり、経験者であり、前回のリベンジに燃える大西一を、エントリーからはずした。その上、無名ながらも頑張ってきた3年生、最後の箱根となる市川までもはずし、2年生をずらりと並べる布陣をとった。
 このチャンスを、何が何でもとりに行こうという、佐藤監督代行の本気が見えるオーダーである。
 一方の早稲田も、八木、中島、朝日を投入、いずれ劣らぬ布陣である。弱さがあるとすれば、本来走るべき高原がはずれたことである。6,7区でリードを奪い、先行逃げ切りをねらう早稲田にとって、ただ一つの不安材料であった。
【6区】
 区間賞のみならず、区間新をねらう早稲田の加藤は、猛然と飛ばしていた。しかし、思うようにスピードが乗らない。
 一方、今朝オーダー変更を言い渡された東洋富永は、冷静な走りで加藤を逃さない。オーバーペース気味の加藤に再三追いつき、揺さぶりをかける。箱根の山中で、抜きつ抜かれつの大接戦を演じた。
 この時点で、もはや流れは東洋にあった。下りで2分以上差を付けなければ、早稲田の負けなのである。トップで襷を渡しながら、早稲田の渡辺監督は焦り、2位の東洋、佐藤監督代行はほくそ笑んだに違いない。

【7区】
 早稲田は、八木の大駆け期待するほかない状況に追い込まれた。東洋は離されなければ上出来である。
 ワタシは、いままで、選手、監督、コーチ時代を通じて、一度も優勝に絡んだことのない佐藤監督代行が、これほどの指揮を執れるとは思ってもみなかった。
 もう何年も優勝を経験してるような指揮ぶりである。ワタシは飛坂への的確な指示を見て、仙台育英の渡辺前監督のような、あるいは、好調時の大八木監督のような、相手をじりじりと追いつめ、とどめを刺して、ビクトリーロードを悠々と駆ける、王者の走りを、この時点で感じていた。
 早稲田の八木は、持ちタイムこそすばらしいが、大舞台では力を発揮できていない。もう伸びしろのない選手という気がする。
 経験豊富な飛坂は、無理して追わなかった。自分のペースを守り、後半ペースアップ。見事に区間賞を獲得し、早稲田を追いつめる。もはや逆転は時間の問題であった。

【8区】
 かつての谷口浩美を思わせる、地をはうような走りで、東洋の千葉は早稲田の中島を追っていった。じわじわと追い上げるが、追いついた時点で相手を引き離そうとはしなかった。じっくりと相手の出方を見定め、遊行寺の坂にさしかかるや、スパート。中島に追う力は残っていなかった。
 9、10区の選手の力を見ると、その差45秒というのは、東洋にとって余裕、早稲田にとっては、絶望的な差である。

【9区】
 ここで東洋は、復路のエース大津。
 対する早稲田は、努力の人朝日。
 早稲田にすれば、ここに万全の状態の高原を投入できれば、勝負になったであろうと思う。
 しかし、それは叶わぬ望みであった。
 早稲田の朝日は、前半飛ばして大津の背後まで迫ったが、東洋大津はそれを待っていた。あざ笑うかのようにピッチをあげ、朝日と早稲田の優勝の望みを置き去りにした。
 罠にはまったことを知った、渡辺監督の心中はいかばかりであったろうか。

【10区】
 もはや1分25秒の差は、東洋、早稲田のランナーの実力からして、絶望的な数字である。
 じっくり逃げればよい東洋からすれば、9区のように充分引きつけてスパートすればよい。
 しかし、ここで早稲田渡辺監督は、後半勝負に賭けた。
 好調の三戸に、前半自重させ、後半勝負に出たのである。勝負師渡辺の真骨頂であろう。 万一、東洋高見に何か異変があれば、逆転可能な作戦であり、事実高見は絶好調ではなく、さほどいいタイムは出なかった。やはり渡辺監督はただ者ではない。
 しかし、勝利の女神は、渡辺監督には微笑むことはなかった。
 高見は、余裕を持って走りきり、ゴールのテープを切った。
 東洋は、初参加から実に77年目、出場67回目にして、ついにつかんだ栄光のゴールである。

 3位には日体大、4位には前回棄権した大東大が入った。いずれもこれといった選手がいるわけではい。全員でつかんだシードである。
 前回優勝の駒沢はなんと13位、箱根史上初のディフェンディングチャンピオンのシード落ちである。
 このところの箱根は、以前の常識が通じない展開が多い。第一、前回10位の大学が優勝するなど、10年前は考えられなかったことである。そのころ、前回7位以下の大学が箱根を制した例はない。5位、6位も1校ずつあるだけで、最低でも4位に入っていなければ、翌年の優勝はなかったのである。
 しかし、ここ最近7位の大学が2回(亜大と駒沢)ほど優勝して、ワタシは異変に気づいた。そのうえ、今年は前回10位の大学が一気に優勝したのである。
 いろいろ考えると、これはひとえに、高校駅伝の注目度が増し、育成の強化が進んで、大学の育成力が相対的に弱くなったのが原因ではないだろうか。
 つまり大学での伸びがないために、新人の加入が戦力に大きく影響してしまうのである。3,4年生のたたき上げが、1,2年生の有名若手にごぼう抜きされてしまう状況は、象徴的である。

 今年は記念大会ということで、3校枠が増えた。来年は元に戻り、予選会はさらに厳しさを増す。駒沢、亜細亜、城西、東海、農大など、有力校がずらりと並ぶ。今年の状況を考えれば、25校制もそろそろ考慮すべきでなはいだろうか。
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